2017.10.4

プロデューサーとは、プロジェクトの指揮者|橋本健太郎×野間寛貴 【講義レポート Vol.01】

舞台は横瀬中学校。横瀬町のシンボル 武甲山に見守られながら、約240名の生徒が勉強や部活に励んでいます。普段は先生たちが立つ教壇に、この日は二人のクリエイターが立ちました。彼らの名は、橋本健太郎さんと野間寛貴さん。普段は都内で企業ブランディングやプロモーション企画・制作を手がけるクリエイターです。
橋本さんは、なんと横瀬町出身。彼が所属するSCHEMAは、大手メーカーのUX周りやアパレル企業のECサイト構築など、数多くのプロジェクト手がけています。相棒の野間さんが率いるGarden Eightは、AwwwardsFWAなど海外Webデザインアワードを数多く受賞している注目のWebデザインチームです。彼らの授業を皮切りに、横瀬クリエイティビティー・クラス《講義編》が幕をあけることになりました。
※横瀬クリエイティビティー・クラス《講義編》とは。
2017年7月から10月にわたり、中学生を対象にクリエイティブ職の仕事内容や考え方を紹介していく取り組み。自分の好きなことを、どうやって”仕事”に繋げていくか、どのような”技術”を学べば良いのか。映像作家(脚本家)/アートディレクター/ディレクター・プロデューサー/写真家/ライター(編集者)/エンジニア/音楽家/プロダクトデザイナー/イラストレーターなど都内で活躍する全9職種のクリエイターたちが講師として授業を行ないます。クリエイティブソンにはじまった横瀬クリエイティビティークラスの最終的な成果発表に向けて、クリエイティブそのものへの理解と技術の強化が目的です。


授業は全9職種分、全10回。生徒は、中学3年生が中心。人数は各授業ごとに異なりますが、15人から40人程度。中学校全体に参加を募り、希望者が各職種の授業に自由参加する形式をとっています。Vol.01は、SCHEMA 橋本健太郎さんとGarden Eight 野間寛貴さんによる『プロデューサー編』の前編・後編をレポートします。

クリエイターという生き方を知ろう|プロデューサー編 前編

橋本さん、野間さんの講義、前編は7/13(木)に実施されました。
まずお二人が始めたのは、《講義編》の目的である「職種を知る/仕事を知る」について理解してもらうこと。クリエイターはどういう人たちなのか、どのようにしてクリエイターになるのか、どのように仕事をしているのか……「クリエイターって何?」というところから丁寧に解説していきました。

「弁護士やパイロット、先生といった、TVドラマで取り上げられたり、はたまた身近だったりする職種とは違い、クリエイターの仕事はなかなかイメージできません。だからこそ、今回の授業でたくさんのクリエイターと触れることで、知ってほしい。そして、将来の夢に”クリエイター”という選択肢が増えたら、ものすごく嬉しい。世の中に「かっこいい」という価値観を提案できる仕事だから、やりがいはある」と語る野間さん。

自分たちと同じ環境で生まれ育った橋本さんの話に中学生たちも興味津々。


続いて、橋本さんが登場。横瀬出身の橋本さんは、自身の経験を交えて実際にクリエイターとして活躍するまでを赤裸々に語りました。中学生の頃にゲーマー仲間に神と崇められていたこと、高校ではファッション、大学では音楽にハマったことなどなど。「青春時代に時間を費やしたモノやコトが、今の仕事の土台になっている。ぜひクリエイターたちとの出会いを大切にして欲しい。人生なにが起こるかわからない」と締めくくりました。

授業を終え、橋本さんはこう振り返りました。「僕の時代は、TVゲームくらいしか影響を与えてくれたものってなかったです(笑)。中学生のうちに世界で活躍するクリエイターの授業を受けれるなんてとても刺激的ですし、これからどんな影響が生まれるかホントに楽しみです」。目を輝かせながら授業を受ける中学生たちを目の当たりにして、クリエイターたちも大きな成果を感じたようです。

プロデュースは「いつ、どこで、だれが、なにを、どのようにして」

橋本さん、野間さんの講義、後編は9/22(金)に実施されました。
後編では、自身の「プロデューサー」という職種について語りました。

まず、橋本さんから語られたのは「プロデューサーとは、全体の状況を把握して最適な計画を練る人。プロジェクトの指揮者です」という言葉。橋本さんは、中学生にもなじみのある「友人の誕生日会の企画」をプロデューサーの仕事に例えて説明していきます。
「”だれが”、”いつ”、”どこで”、”なにを”、”どのようにして”を決めて、プロジェクトの全体像をイメージできるようにする。「なんかやろう」というフワっとした状態から、どのようにプロジェクトメンバーの一人ひとりの行動まで落とし込んでいくことが大切」と、まさに指揮者としての考え方や方法についての授業でした。

野間さんは、橋本さんの「だれが」「いつ」「どこで」「なにを」「どのようにして」の考え方に沿って、横瀬クリエイティビティー・クラスのプロデュースについて話しました。
そもそも、なぜ開催することになったのか、どうやって実行に移していったのか、なぜ授業することになったのか、アイデアがどうやってうまれてきたか、そのアイデアをどのようなかたちでまとめられ、実際に横瀬中学校で授業をするにいたったのか、4月に開催されたクリエイティブソンとアウトプット制作、そして講義にはどのような意味があるのか……などが語られ、中学生たちもようやく全体像を把握した様子でした。

2人の授業を終えて、最後はワークショップの実践です。お題は「横瀬クリエイティビティー・クラス 2nd Season」について。これまでの授業を活かし、企画してみようという取り組みです。
最初は「難しい…」という声もあがっていましたが、10分間の企画タイムの間に筆は順調に進んだ様子。その後、全員で発表。参加者全員が「だれが」「いつ」「どこで」「なにを」「どのようにして」を基本として、それぞれの企画をしっかりとプレゼンしていきました。横瀬を舞台にした町民&クリエイターの運動会や、有名アーティストを招聘したフェスの企画、町民とクリエイターで武甲山の山頂を目指す登山などなど…さまざまな企画に講師の二人も舌を巻いた様子。中学生から、たくさんの企画の種が生まれました。

プロジェクトの指揮者。企画の楽しさをもっと知ってほしい。


2回の授業を通して、「地元でこういった取り組みができていることが何より嬉しいです。プロデュースをはじめ、たくさんのクリエイターから多くの刺激をもらって、新しい発想を地元の子たちがインストールしていくと思うとワクワクしますね。是非みんなで町をプロデュースしていきたいです!」と橋本さん。
野間さんは「時間の関係で、仕事の一端しか見せられないのが残念。プロデューサーという仕事は規格が曖昧なところもあり、理解してもらうのはなかなか難しいですが、まずは企画の方法を知ることで新たなチャレンジのハードルが下がってくれると嬉しいです。それにしても、ワークをさせたときの中学生のみんなの筆の早さと自信に溢れた発表は、子どもだと思ってナメてちゃダメだなと思いました。楽しかったです。」と語りました。
今回の授業を通して、プロデューサーという仕事を知り、また、アイデアを具現化する方法の一端を中学生は自分たちのモノにできたのではないでしょうか。これから行なわれるアウトプット制作などで、今回の学びを発揮してくれるはずです。
講義編のレポートも続々更新予定!Vol.02以降もお楽しみに!
著者:横瀬クリエイティビティー・クラス 編集部

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