2017.12.6

みんな!俺たちの仕事も楽しいよ!ライター・編集者 徳谷柿次郎/田中嘉人/武田英裕【講義レポートVol.6】

※横瀬クリエイティビティー・クラス《講義編》とは。
2017年7月から10月にわたり、中学生を対象にクリエイティブ職の仕事内容や考え方を紹介していく取り組み。自分の好きなことを、どうやって”仕事”に繋げていくか、どのような”技術”を学べば良いのか。映像作家(脚本家)/アートディレクター/ディレクター・プロデューサー/写真家/ライター(編集者)/エンジニア/音楽家/プロダクトデザイナー/イラストレーターなど都内で活躍する全9職種のクリエイターたちが講師として授業を行ないます。クリエイティブソンにはじまった横瀬クリエイティビティークラスの最終的な成果発表に向けて、クリエイティブそのものへの理解と技術の強化が目的です。

横瀬クリエイティビティー・クラス《講義編》のレポートVol.6は、ライター/編集者編。ジモコロBAMPの編集長を務めるHuuuuの徳谷柿次郎さん、フリーライターの田中嘉人さん、富士通で『あしたのコミュニティーラボ』を担当する武田英裕さんの3名が講師役となり、授業を行ないました。他のクリエイターたちと比べると一見地味?な印象を受けるライター/編集者。彼らは中学生たちにどんなメッセージを送ったのでしょうか。

※2017/7/14、2017/8/31の授業をダイジェストにしてお送りします。

どん底にいた青年は、いかにしてWebライター/編集者の道を歩むことになったのか

Huuuu 徳谷柿次郎さん

まず教壇に上がったのは、ジモコロやBAMPといったWebメディアで編集長として活躍している徳谷柿次郎さん。2017年1月に独立し、TV出演を果たしたり、東京と長野で二拠点生活をスタートしたりと、公私ともに順調な柿次郎さんですが、過去は決して順風満帆ではありませんでした。

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夜逃げ、ヤミ金、改名…理不尽スパイラルから救ってくれたのはインターネットだった。徳谷柿次郎の原点

授業は「壮絶な青春時代を送ってきた柿次郎さんがいかにしてWeb編集者としてのキャリアを掴んだか」という内容に。

・複雑な家庭環境で育ったこと
・経済的な苦労をしてきたこと
・引きこもりを経験してきたこと

…などなど。理不尽に次ぐ理不尽によって劣等感の塊と化してしまった青年は、ある日一枚のチラシを手に入れます。家電量販店のパソコンの折り込み広告でした。「何かが変わるかもしれない」。直感的にそう感じた柿次郎さんは、お父様に頼み込んでパソコンを48回払いで手に入れました。すると、柿次郎さんはどんどんインターネットの世界にのめり込んでいきます。そして、自ら文章を書いてアップしたり、音楽のコラムを書いたり…今の仕事にもつながる活動を始めました。インターネットを通じて出会った先輩たちに可愛がられたことで、Webライター/編集者の道を歩むことになりました。

今日では、自分が若い頃に受けた恩を下の世代に還元していくために、若手の「フックアップ」にも力を注ぎ、単なるWeb編集者の枠にとらわれない活躍を見せる柿次郎さん。

どん底の生活からインターネットを足がかりに這い上がった柿次郎さんのエピソードは、まるでドラマのよう。中学生に勇気を与える時間になりました。

ライターの仕事の面白さってなんだろう?

次に、柿次郎さんが主宰するHuuuuに所属・フリーライターの田中嘉人さんが登場。柿次郎さんの話を受けて、「ライターの仕事の面白さ」「ライターになるためには?」というテーマで話しました。

フリーライター 田中嘉人さん

ライターの仕事の面白さを「好きなことを仕事にできること」と表現した田中さん。自身もファンであるアーティストやクリエイターへのインタビューを記事にしたり、趣味の山歩きを記事にしたりと「好き」を武器にさまざまな仕事を手がけてきました。

「好きなことで○円もらえるってすごくない?」とギャラも公開しながら熱弁をふるう田中さん。しかし、中学生にはいまいちピンときていなかったようです。

最後にライターとしての発想力・企画力を鍛えるために「写真で一言」を実施。ひとつのモノでも角度を変えて見ることで異なる表情を見せてくれます。そのとき自分のなかに浮かんだ言葉が文章になり、記事になっていく。そんなライターの仕事を少しだけ体験できたのではないでしょうか。

「編集」って一体どんな仕事?

トリを飾るのは、富士通で『あしたのコミュニティーラボ』を担当する武田英裕さん。田中さんのライター編の授業を受け、「編集とは?」というテーマで授業を開催しました。

富士通 武田英裕さん

大人でも認識がさまざまな編集という仕事。武田さんは、「編集」という言葉の成り立ちに注目しながら、わかりやすく解説していきます。

● 文章を”編んで、集めて”記事をつくっていく職種だということ

● ライターが書いた文章を、読者に届けるためにコーディネートする役割だということ

● 大事なのは、読者の目線だということ

そして、武田さん自身の経験に基づいた「編集のコツ」も大公開。

編集とは「ヒト・モノ・コトの間に創造的な関係性をつくること」。そのために、「読者が取り組んでみたくなる”問い”をつくる」「ヒト・モノ・コトの素敵で意外な一面を”発見”する」「新たな”関係”をつくる」ということを意識し、日々仕事に取り組んでいるそうです。

いまいちわかりにくい編集という仕事が武田さんによって分解されていきます。さらに、中学生のみなさんにとって理解しやすいで届けていく。これも編集者の為せるワザなのかもしれませんね。

 


 

確かに、映像ディレクターやフォトグラファー、ミュージシャンと比較すると、地味な印象をもたれがちなライター・編集者。しかし、今回お三方によって仕事内容はもちろん、醍醐味ややり甲斐、面白さやコツまで幅広く伝えられたことで印象が少しは変わったのではないでしょうか。中学生のみなさんのなかから、「ライターや編集者にチャレンジしたい」という方が現れるのか。それとも……?10年後が楽しみですね。

著者:田中 嘉人Huuuu Inc.

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