2017.10.6

すべてはここから始まった! #横瀬クリエイティビティー・クラス の出発点【クリエイティブソンレポート】


『横瀬クリエイティビティー・クラス』を語るうえで欠かせないのが、2017年4月22日〜4月23日に開催されたクリエイティブソンです。この日をきっかけに約半年間にわたる『横瀬クリエイティビティー・クラス』はスタートしました。
この日初めて横瀬町に足を踏み入れたクリエイターたち、そして不安と緊張で彼らを待つ中高生ら横瀬町民。まったく面識のなかった両者は、いかに心を通わせていったのでしょうか。『横瀬クリエイティビティー・クラス』の”始まりの日”に、少しだけタイムスリップしてみましょう。

舞台は、旧芦ヶ久保小学校の体育館

4月22日土曜日。最初に現れたのはクリエイターたちでした。会場となる旧芦ヶ久保小学校体育館の重い扉を開けながら、内部をキョロキョロ。久しぶりの学校という空間に、懐かしさ、そして新鮮さを感じているようでした。
彼らを待っていたのは、横瀬町長の富田さんと横瀬町役場の田端さんをはじめとする横瀬町民のみなさん。町長からは横瀬町が今回のプロジェクトにかける想い、田端さんからはクリエイティブソンの全体像が語られました。

クリエイティブソンのテーマ。それは、「横瀬町に”もう一度帰ってくる”を後押しする企画」を考えること。このテーマに向けて、クリエイターたちはどんなアイデアをぶつけてくるのでしょうか。チームに分かれて、いよいよクリエイティブソンが始まります。
<チーム編成>
A:SHIFTBRAIN 鈴木慶太朗、AID-DCC 鍛治屋敷圭昭
B:AID-DCC 田渕将吾、SCHEMA 河村五月、SCHEMA 岡永梨沙
C:Huuuu 徳谷柿次郎、富士通 武田英裕
D:SCHEMA 橋本健太郎、ALLOY 山崎勇人、大嶋義樹
E:EXIT FILM 田村祥宏、[.que]、Garden Eight 野間寛貴
F:安部元俊、藤原光昭、太田直樹、高嶋大介、内田菜月、村上悠、町民の皆さん

【1日目】アイデアってなんだろう?横瀬町中に散らばるヒントの種

まずは全体参加のオリエンテーションから。二日間のモデレーターを務めるのは、富士通総研の佐々木哲也さん。

佐々木さんがこれまで培ってきたアイデア発想のフレームワークを展開。「クリエイティブとは課題を解決するためのアイデアです」と佐々木さん。

佐々木さんのフレームワークにのっとって、ブレストを行なっていく面々。

そして町民から横瀬の課題をヒアリング。クリエイター兼町民代表として並々ならぬ決意でこのプロジェクトに参加した橋本健太郎さん。クリエイターへのプレゼンには力が入る。

町民たちの言葉を静かに受け止めるクリエイターたち。そして、ひととおりのオリエンテーションを終えた彼らは、フィールドワークのために町へ飛び出して行きました。

武甲山をはじめとする雄大な自然を前に思わず笑顔になるCチーム。

川を流れる水の透明度の高さを誇りに思うDチーム。

フィールドワークを終えたチームから徐々に体育館へ戻ってきました。ヤフー 藤原さん(中央)の笑顔から、フィールドワークでの手応えが伝わってきます。

Bチームも手応え充分といったところ?

チーム内でのディスカッションを重ね、アイデアをブラッシュアップしていくクリエイターたち。

気がついたらクリエイターと町民の距離はぐっと近づき、ひとつの目標に向かってアイデアを出し合っていました。

ちょうどその頃、学校行事を終えた中学生たちが合流。田端さんからあらためて概要が伝えられます。やはり、若干の緊張は隠せない……?

中学生たちのチーム分けを前に、クリエイターたちの自己紹介とチームごとの企画内容を簡単にスピーチ。どのチームの企画にも興味津々な中学生たちです。

そしていよいよチームに合流。

まだまだ表情は硬いけど…

やり取りを重ねていると、ときどき笑顔も見えてきました。

そして、気がついたらディスカッションにも積極的に参加。

そして、中学生らとクリエイターが出し合ったアイデアをまとめて、チームとして解決していく課題を発表。

内容自体は未完成だし、スピーチもつたないけれど、「この町をよくしたい」という気持ちは伝わります。
ここで1日目は終了。明日は今日発表されたアイデアをさらにブラッシュアップし、アウトプットイメージを固めるというプロセスが待っています。
さぁ、明日はどんな化学反応が起きるのでしょうか?

【2日目】クリエイターたちの本気がぶつかり合う!

運命の2日目。

若干の疲れは見せながらも、誰一人遅刻することなく体育館に姿を現しました。そして早速昨日の企画を確認する面々。

すると、モデレーターの佐々木さんから「じゃあ、輪になってください」という声がけが…?輪になるとは…?

輪になって、個人のアイデアを意見交換しながらブラッシュアップしていきます。

世代や肩書きの垣根は超えて、コミュニケーションが深まっていく瞬間。

チームもシャッフルして、お互いのアイデア、そしてプライドをぶつけ合います。

そして、体育館の中が一つになっていきました。

昼休憩を挟んだら、クリエイティブソンもいよいよ佳境。アイデアをカタチにすべく実制作がスタートします。EXIT FILMの田村さんは、映像作品で勝負?

プログラマのAID-DCC 鍛治屋敷さんはコードをガリガリと…!それぞれのバックグラウンドをいかして、アイデアがカタチになっていきます。
そして、いよいよクライマックス!最終発表です!

最初の発表はAチーム。「横瀬町を出てからもつながりを感じられるように」という想いで、ロゴマークと横瀬限定SNSを企画しました。鈴木さんがデザインしたロゴ、そして鍛治屋敷さんがプログラミングしたサイトが、

続いてBチームからは、音楽・アート・工芸のフェス『YOKOZE CREATIVE WEEK』が提案。アートやクリエイティブを身近に感じてもらうことで、横瀬町に新たなキャリアへの道を照らすことが狙いです。

Cチームが提案したのが、なんとグルメ。記憶に残るような名物をつくろうということで企画されたのが『ダイナマイトご飯』です。武甲山で行なわれている爆破作業にインスパイアされたアイデア。

Dチームのアイデアは、横瀬町の小さな課題を一つずつ解決していくプラン。東京までの西武線の車内で食べられる『武甲山おにぎり』、花粉症対策の『杉マスク』、思い出を固める強化型タイムカプセル『セメントカプセル』を提案しました。

Eチームは、映像作品で勝負!「町並みから思い出が抜き出せない」という課題を解決するために『横瀬帰り道ドラマジェネレーター』という企画を考案しました。映像は田村さんが制作し、BGMは[.que]さんが作曲というプロの仕事っぷり。

Fチームは、気軽に集まれるコミュティスペース『YOKOZE BASE』と多様な生き方を学べる授業の2つを提案。横瀬町の人に機会と場をつくることが、町の課題解決につながるのではないか、と考えました。

と、こちらでクリエイティブソンの最終発表は終了。2日間の濃い時間を共有したクリエイターと中学生、町民たち。その表情に疲れはあったものの、充実感にあふれていました。
しかし、クリエイティブソンはあくまでも始まりの一歩。これから半年間にわたって、クリエイティブソンで生まれたアイデアの芽を育て、実らせていくプロセスが待っています。これから半年後、どんなアイデアが生まれるのか。ぜひご注目ください。

YOKOZE CREATIVETHON − Yokoze Creativity Class from Hideki Nishizawa on Vimeo.

著者:田中 嘉人Huuuu Inc.

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